航海士とは、船の総責任者である船長を助け、甲板部員を指揮し、航海計画に基づいて航海や荷役に関する業務を担当する職業です。
船の総責任者である船長を助け、甲板部員を指揮し、航海計画に基づいて航海や荷役に関する業務を担当する。
航海に先立って、予定航路の状況、気象・海象、航海距離などを調査し、機関士と相談しながら速力・燃料・所用時間を算出し、航海計画の原案を作成する。出航前に、水や食料、燃料、貨物、船体の状況、航海用具、計器の作動状況を調べ、出航準備を整える。
出入港時には船橋、船首、船尾など指定の位置につき、船長の命令を機関部に伝えたり、錨作業や係船作業を指揮する。航海中は、肉眼やレーダー、GPSで陸地・島、他船の位置や航路標識などをチェックし、現在位置を海図上で確認する。船の大きさ・航行時間によって乗務すべき航海士の人数は異なるが、外航船(国際航路)には3人の航海士が乗り込み、4時間ずつのローテーションで航海当直に立つ。航海計器・舵などの機器の作動状況や気象・潮流の変化に気を配り、他船との衝突や座礁などを避け、進路を保って安全で効率的な航海につとめる。
停泊中は、荷役作業が安全に進行するよう監督しながら、次の航海に備えて必要な資材の補給、航海計器や船体の整備、荷役・税関関係の書類、出港許可書や国籍証書などの確認を行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
航海用具、レーダー、GPS、海図、航海計器、舵、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)
航海士になるには、海技従事者国家試験に合格し、海技士(航海)の船舶免許を取得する必要がある。
免許取得にはいくつかの方法があるが、一般的には旧商船大学(現在は、東京海洋大学と神戸大学)、商船高等専門学校、海上技術の学校等に進学する。それぞれ所定の修業年限を経て、在学中又は卒業後、乗船実習を航海訓練所や学校所属の練習船で行う。大きな船に乗るには上級の免許が必要となり、それに応じた乗船経験も必要となる。
大手海運会社では旧商船大学卒業者が最も多く、商船高等専門学校卒業者がこれに次ぐ。内航海運会社では海員学校や水産高校出身者が多くなっている。
船上では船長を中心とした秩序が大切で、自らを厳しく律し、規律を守ることが求められる。また、甲板部員を指導し、チームワークを作り上げるリーダーシップも必要となる。気温の変化、振動、変則的な勤務に耐えられる体力や忍耐力も求められる。
船はいったん港を出ると次の港まで休み無く稼働し、港に着いた後も荷役を行いながら必要な補給を行うため、休日が取りにくい。そのため、下船するとまとまった休みをとる休暇制度がある。例えば、外国航路などでは年間合計8ヵ月乗船して4ヵ月陸上で休暇をとるのが一般的である。
航海中は、船橋で4時間ずつ輪番で当直をする。出入港時や緊急時には船長の命令によって当直時間外でも配置につき、船橋当直者を増員することもある。外航船では外国人船員と一緒に船に乗り、指導的立場で働くことが多い。就業者はほとんどが男性であるが、女性もみられる。
給料は会社の規定によって定められており、基本給の他に、時間外手当や特殊作業手当などが別途支給される。また、職務外疾病及び船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付は船員保険が適用される(平成22年から、職務上疾病・年金及び失業給付。はそれぞれ一般制度である労災保険制度及び雇用保険制度に統合された。)。
船舶の自動化などに伴い、一つの船舶に要する船員数が少なくなっているが、航海士には高度な技術と知識が求められるようになっている。また、大手の海運会社では船員としての経験を活かして、数年間の海上勤務と陸上勤務を交互に行うケースもある。
業界をまたいで、AI 影響度が同水準の代表職業(規模順)。